企業とブランドの競争力に影響を与える重要な要素として、顧客体験が強調されている。
顧客体験(CX)とは、製品やサービスの購入前後を含む利用の全過程で感じ、考えるすべてを意味する言葉で、顧客の忠誠を確保し、持続可能な成長を支える強力な要素となっている。
実際の経験管理専門企業クオルトリックス(Qualtrics)が発表した「2024消費者トレンドレポート」によると、顧客の忠誠心を決める重要な要因は、価格ではなく優れた製品・サービス提供であることが分かった。クオトリックスが全世界26カ国の消費者28,000人の回答を基に消費者の購入を決定する要因を調査した結果、製品・サービス品質(61%)、次に顧客サービス(47%)の順で確認された。これは消費者が購買決定を下す際に製品・サービスの品質と顧客サービス経験の価値を価格よりも重要に考慮していると予測されている。
顧客体験ソリューション 専門企業のZendeskの「顧客サービスが顧客生涯価値に及ぼすビジネス影響」報告書によると、顧客サービスとの愉快ではない相互作用は、顧客の今後の購入決定を変え、顧客は良い経験よりも不快な経験をより長く覚えることが確認された。特に否定的な経験をしたアンケート調査参加者のうち、58%は該当会社からの購入を中止し、52%は該当製品やサービスを他社から購入したと答えた。また、46%の消費者が2年以上経過した不快な経験で購買行動が影響を受ける一方、2年以上経過した良い経験を覚えている人は21%に過ぎなかった。
これに多くの企業は、顧客が利用するアプリやWebサービス利用環境を改善したり、顧客満足度評価管理システムを構築してサービスに反映するなど、高度化された顧客体験管理戦略を展開している。

◆ユーザー中心のアプリ改編・顧客言語環境を考慮した多言語CSチャンネル運営、セントビー
グローバル為替トータルソリューション企業セントビーは、個人顧客の海外送金利用経験とニーズに基づいてアプリを改編したり、顧客の言語使用環境を考慮した多言語支援CSセンターを運営するなど、顧客経験満足に焦点を当てた多様な戦略を展開している。
最近、セントビーは個人向けの小額海外送金サービスアプリを新たに改編し、海外送金前の過程で顧客がより迅速かつ簡単に利用できるように直感的でユーザーフレンドリーなUI(ユーザーインターフェース)とUX(ユーザー体験)を実装した。定期的に同じ人に送金する顧客のための「同じ情報で送金」機能を追加し、送金申請直前にも送金額と受け取る方法、受取人情報などを一度に確認して修正できるように画面を実装し、顧客の送金申請過程と時間を効果的に短縮させた。また、頻繁に送金する受取人情報は、お気に入り機能で簡単に確認できるようにした。
この他にもセントビーは多様な国の顧客が海外送金サービスを利用する点を考慮し、顧客の問い合わせや不便事項に迅速に対応できるように多言語で支援する多様なCSチャネルを運営し、肯定的なサービス経験を高めている。顧客のアクセシビリティを考慮してオフラインCSセンターの他にもFacebook、ライン、ワッツアプリ、メールなど多様なコミュニケーションチャンネルを運営している。また、顧客が母国語で快適に相談できるよう、英語の他にもベトナム語、タイ語、フィリピンのタガログ語、ネパール語など多言語でCSを支援する。
◆「顧客経験管理センター」新設・難しい保険用語は理解しやすい日常用語に変換、サムスン生命
サムスン生命は、顧客の苦情が発生する前に先制的に原因を見つけて顧客を保護し、保険取引全体で顧客の立場で考え、コミュニケーションするなど、より良い経験を提供するための活動を進めている。昨年新設されたサムスン生命の「顧客経験管理センター」は、保険加入後の維持に必要な制度とサービスだけでなく、様々な特典やイベント情報を集めて顧客に提供する。年金開始を控えた顧客のために予想年金額を知らせ、個人状況に合った受領方式を提案する1:1コンシェルジュ相談サービスも運営する。
また、顧客の目の高さに合わせて理解しやすく明確な情報を提供するために、CX書き込み方式を導入した。難しい保険用語をわかりやすい日常魚に変換し、顧客に送るメッセージにもサムスン生命だけの一貫した表現方式を使って肥大面で顧客とのコミュニケーションを強化する方式だ。担当コンサルタント(FC)からサービスや制度などをカスタマイズして案内されるようにする顧客経験管理プログラムも用意した。
◆顧客アンケートに基づいて顧客経験を分析し、先制管理、 KB国民銀行
KB国民銀行は銀行券で初めて「純顧客推薦指数管理システム」を構築した。純顧客推薦指数(Net Promoter Score)は、他人に推薦する意向を測定する簡単な質問を通じて顧客満足度を測定する評価法である。顧客ロイヤルティ調査の面でグローバル企業が主に使用する評価方法で、問題要因を明確に把握して実質的な改善領域を導出することができるというのが長所である。
国民銀行はチャネルと商品、サービスなどすべての顧客接点に対する市場の客観的評価とともに、毎営業日KB国民銀行利用顧客を対象とする満足度調査にNPS調査方法を活用する。 NPS管理システムは、自社開発した人工知能技術「KB-STA」を活用し、NPS調査結果を分析し、関連機関に分析結果を提供する。関連部門はサービスの改善を推進し、顧客に改善の有無を伝え、実際の改善につながるかどうかを再び監視する過程を経る。
国民銀行はNPS管理システムの導入で、データベースの顧客体験を管理し、継続的に改善する体系を設けた。これに基づいて、顧客中心の戦略を策定し、差別化された顧客体験を提供する計画だ。
- 関連記事をもっと見る
You must be logged in to post a comment.