
再生医療専門企業ティアン・アルバイオファブが国内研究陣との共同研究を通じて、3Dバイオプリンティングと人工知能(AI)技術を融合した患者に合わせた腫瘍オルガノイドを開発したと3月31日明らかにした。
UNIST(蔚山科学技術院)、ソウル牙山病院、ティアンアルバイオファブなどで構成された共同研究チームは、既存のがんモデル限界を克服し、個々の患者のがん特性と治療反応性を正確に予測できるシステムを構築することに成功した。本研究結果は、国際的学術誌であるアドバンスドサイエンス(Advanced Science、インパクトファクター15.1)に掲載された。
同社側は、今回の研究が、3DバイオプリンティングとAI技術の融合が、カスタムメイドのがん治療分野で実質的なイノベーションを達成できることを立証した成果だと説明した。また、本研究は、精密医療や次世代がん治療技術の発展に重要な貢献ができると期待していると付け加えた。
従来の患者由来の長期類似体培養方法は、腫瘍微小環境の複雑さを十分に反映していないため、患者間の腫瘍特性の違いを正確に分析することが困難であった。研究チームはこれを解決するために3Dバイオプリンティング技術を活用して膀胱がんと大腸がん患者の腫瘍特性をより正確に模写できるモデルを開発した。
この技術は、3Dバイオプリンティング技術を通じて均一な大きさと形態の腫瘍オルガノイドを配列し、実際のがん組織と同様の基質剛性(約7.5kPa)と低酸素環境を再現することで、患者個人のがん特性をより正確に模写できるように設計された。また、腫瘍特異的タンパク質(CEACAM5)の発現パターンを反映して患者間の腫瘍特性の違いを正確に隠すことができ、抗がん剤である5-フルオロユーラシル(5-FU)に対する反応性を予測するためにも活用できる。
研究チームはさらに、3Dバイオプリンティングで生成された腫瘍オルガノイドイメージデータを機械学習アルゴリズムで分析し、患者のがん特性を自動的に分類するAIベースのシステムも開発した。これにより、別途の蛍光染色や遺伝子解析なしで迅速かつ正確ながん特性評価が可能となったという説明だ。研究チームは今後、免疫細胞や血管構造など腫瘍微小環境をより精巧にモデリングし、患者カスタマイズ型治療戦略の開発に寄与するという計画だ。
今回の研究を主導したUNISTバイオメディカル工学科カン・ヒョンウク教授は「今回の技術は個々の患者のがん特性をより精密に分析し、最適な治療戦略を提示できるカスタマイズされた医療モデルとして大きな意味を持つ」とし「今後さらに多様な腫瘍研究および治療剤開発に適用できるものと期待される」と明らかにした。
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